都会の喧騒から離れて、近鉄の列車に揺られながら辿り着く鳥羽。そこは、青い海と穏やかな時間が広がる、真珠の町です。日本が世界に誇る真珠養殖の地であり、古くから続く海女文化が息づいています。
今回の旅では、そんな鳥羽で海女小屋体験を通じて、地元の伝統や自然の恵みを五感で味わうひとときを過ごしてきました。名物の海鮮料理や、海女さんとの心あたたまる交流も楽しみの一つです。鉄道旅ならではの車内空間と、鳥羽なの体験が織りなす特別な魅力を、写真とともにたっぷりご紹介します。
鳥羽へのアクセス
近鉄の利便性
近鉄で鳥羽を訪れるには近鉄名古屋駅から特急列車の利用が便利です。愛知県在住の私にとって訪れやすい観光地です。近鉄名古屋駅から出発し、約2〜3時間で鳥羽駅に到着します。列車の旅の楽しみは観光スポットを訪れるだけでなく、移動中の車内の豪華さを味わえることです。
近畿地方に特化した近鉄が観光を意識した車両を投入しているのは鉄道好きな私にはうれしい限りです。一方で、名古屋駅からほぼ並走して走るJR線が特急の車両を投入しないのは不思議に感じます。

※ 画像はじゃらんネットより
伊勢志摩ライナー
名古屋・大阪などの大都市から鳥羽方面の観光を目的に導入された車両です。カラーリングは伊勢志摩の太陽と陽射しを表現した、鮮やかな「赤色」と「黄色」の2種類。 すべての車両の内装は、リゾート感をイメージしリゾートへと向かうスタイリッシュなフォルムが魅力です。もちろん車内は ゆったりとしたシートで、ワイドビューな窓は流れる車窓を楽しむのには最適な作りです。
近鉄名古屋駅を出発した車両は近鉄名古屋線から伊勢中川駅より近鉄山田線に入ります。乗り換えはありませんので、スムーズです。
途中の伊勢市駅で下車し、伊勢神宮を観光するルートも人気があります。伊勢市駅から鳥羽へは、近鉄の普通列車を利用して約20分ほどで到着します。

※ 画像は伊勢志摩観光ナビより
名古屋駅からほぼ並走していたJR線が松坂駅から南下し分岐していくのは、伊勢神宮の参拝者の為に敷設された参宮線を意識したものだと思われます。JR線と比較したときのもう一つの違いは近鉄線が賢島まで敷設されていることです。近鉄の観光へ取り組む意識の高さがうかがえます。
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鳥羽湾を楽しむ
遊覧船
鳥羽駅についたら駅前を散策してみましょう。すぐに鳥羽湾の絶景です。「カモメの散歩道」沿いに歩くと気分はすっかり壮大な鳥羽湾と一体です。
遊覧船乗り場が私を誘います。鳥羽湾めぐりとイルカ島を体験できます。「フラワーマーメイド」「龍宮城」とやや小型の「みつしま」で鳥羽湾を周遊できます。所要時間は一時間程です。
途中のイルカ島ではゆっくり楽しめる施設が充実しています。帰りの遊覧船は随時やってくるので時間を気にする必要はありません。船内に喫茶コーナーがあるのはうれしいですね。

※ 画像は志摩マリンレジャーHPより
真珠島
正面に観えるのは真珠島です。受付を済ませパールブリッジを歩いて向かいます。数々の高価な真珠と御木本幸吉氏の功績が素晴らしいです。さらに、海女さんが実際に素潜りし海産物を採る姿を実演をしてくれたのは感動です。

海女さんとの出会い
海女さんの仕事に感動した私は海女小屋に興味を惹かれました。海女さんとの交流は、鳥羽を訪れた際にぜひ体験してほしい特別な時間です。以下に、海女小屋を訪れる方法、海女文化の紹介、実際の海女の仕事を観る機会、交流の仕方について書いてみます。
海女小屋を訪れる
海女さんとの出会いの第一歩としては、海女小屋を訪れることです。海女小屋とは、海女さんが潜水作業の前後に使用する休憩所のことで、現在では観光客を対象にした海女さんの仕事着である「海女装束」を体験したり、直接海女さんから仕事の話を聞くことができます。鳥羽市内にはいくつかの海女小屋があり、各小屋で異なる体験ができますが、事前に予約しておくことが必要です。

※ 画像は じゃらんnet より
伝統の海女文化
海女文化は、鳥羽をはじめとする伊勢志摩地域に古くから伝えられている伝統文化です。海女さんたちは、伝統的な装束を身につけ、素潜りで魚介類を採る仕事を行います。この独特な文化は、長い歴史の中で培われてきたものであり、地域の生活や祭事とも深く関連しています。海女さんとの交流や体験を通じて、この貴重な文化遺産に触れることは、訪れる人々にとって忘れがたい経験となります。
海女さんはアワビなどを採るため水深3メートルから4メートルの深さまで潜ります。1分弱は息を止めていなければならず、60才代が多い海女さん達にはきつい作業となります。
永く呼吸を止めているため、海女さんは海面に上がってから「磯笛」とゆう独自の音とともに息をはきます。 この呼吸法のおかげで水面に上がった時、過呼吸にならずにすんでいるそうです。
鳥羽で海女さんとの交流を楽しむには、海女小屋体験をするのが一番です。海女さんと直接話をする機会があり、海女文化や仕事の内容に関する貴重な話を聞くことができます。また、海女さんが採ってきた新鮮な魚介類を使ったグルメを味わうこともでき、食を通じた文化の理解も深まります。海女さんとの交流を通じて、鳥羽ならではの温かいもてなしと伝統文化の魅力を体感することができます。
旅のまとめ
鳥羽の海女文化や真珠養殖の歴史に触れる旅は、日常ではなかなか味わえない貴重な体験となります。海女小屋では、実際に海女さんが獲った新鮮な海の幸を味わいながら、彼女たちの日々の営みや海と向き合う姿勢を間近に感じることができます。また、真珠の輝きを生み出すための細やかな手仕事や、地域に受け継がれる技術への誇りも印象深いものです。
鳥羽の自然豊かな風景と温かい人々との出会いが、旅の思い出をより特別なものにしてくれるでしょう。近鉄を利用することでアクセスも快適で便利なので、心身ともにリフレッシュしながら地域の魅力にじっくりと浸れる旅をぜひ体験してください。