田口鉄道の三河大草駅を尋ねる:本長篠駅から廃線跡のわかりやすい経路

鉄道

かつて愛知県の新城を走り、今は静かな時を刻む旧田口鉄道の三河大草駅跡。本長篠駅からその歴史の足跡をたどると、時間を遡るような田口鉄道と三河大草駅ヘの想いに浸ることができます。この本記事では、山あいに今もひっそり佇む三河大草駅までのルートをわかりやすく解説しています。はじめて訪れる方、他県からみえる方の参考になれば幸いです。

田口鉄道最初の停車駅

本長篠駅のレール

飯田線の本長篠駅から三河田口駅までを結んでいた田口線は鉄道ファンの方に根強い人気があり、廃線となった、今でも廃線ルートや駅跡を訪れる方がみえます。

田口鉄道は現在の本長篠駅を起点に終点の田口駅まで22.6 キロを結んでいました。当初は段戸山の御料林の運搬を主な目的として開業された森林鉄道でした。本長篠駅の開業当初の駅名は鳳来寺駅です(現在の鳳来寺駅ができてからは鳳来寺口駅に変更)

現在の本長篠駅です。ホーム手前の空スペースに田口線のレールがひかれていました。駅舎側から田口線の車両への乗車乗降がされていました。かつては、飯田線からの引き込みのレールも今は撤去されています。思い出が消えていくようでさみしいですね。

JR線横の不自然な空が田口線を思い出させます。本長篠駅から三河大草駅までは特に立ち寄り場所もありませんが、天気の良い日にはゆっくり訪れてみたい気分になります。田口線当時の駅風景を想像してみましょう。

※ 画像は YouTubeより

三河大草駅跡まで

本長篠駅を出た田口線は飯田線と並走し、すぐに北に向かい次の停車駅三河大草駅へと向かいます。本長篠駅から東方向ヘ進み、飯田線との分岐跡を確認しましょう。廃線跡が道路に転用されています。

下の画像は三河大草駅側から見ています。かつて田口線が道路を渡る踏切に番小屋がたてられていたそうです。古き良き時代の名残りを感じられます。
そのまま、河津桜並木を過ぎて内金隧道をくぐります。

このまま廃線跡を通ると林にはいりますので愛宕神社を目印に県道長篠東栄線へおりましょう。長篠東栄線を北上し間もなく大井川橋梁跡が現れます。このような高い位置を当時の電車は走っていたのですね。

当時の田口線に乗車された方はスリルを味わえたことでしょう。県道から思わず見上げてしまう高さです。さらに長篠東栄線を進んで、次の場所を左折しましょう。

さらに進んで再度左折します

左手に高台が見えてきます。田口線の路盤跡がきれいに整備されていますね。
周りに遮るものがなく田口線を走る列車をイメージしやすいです。
次の画像の場所を左折。

このトンネルを抜けると三河大草駅跡があります。トンネルとゆうより隧道(すいどう)です。下の画像は反対側の冨保隧道で、鳳来寺駅方面に向かいます。このあたりが住所上、新城市富保となります。

大草隧道を抜けると三河大草駅があります。トンネル内の地面は少しぬかるんでいるので歩くのに注意が必要です。駅ホームがいい感じ?に苔むしていますね。まるで「ジブリの世界」と言ったら言い過ぎでしょうか?

三河大草駅の独自性

駅ができた経緯

それにしても、今でも市街地化が進んでいない山あいに敢えて駅を作ったのはなぜでしょうか?駅に続く道も山道といった方が適切です。私は当初この山道が駅に続く道と認識できずどこから駅に向かったのかしばらく考えていました。

私見ですが、三河大草駅の開業が少し遅れたからかもしれません。田口鉄道により1929年に本長篠駅から三河海老駅間は開業していますが、三河大草駅の開業は翌年1930年となります。

本来は材木輸送の目的で山間部に線路を敷設したあと、廻りの集落の方の輸送を考慮し開業したため不自然に山の中の駅となってしまったのではないでしょうか?

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停留所として

しかし、市街地化が進まないからかえって、他の駅跡と違い当時のホームを残しながら、このままひっそりといられるのでは。簡素な駅舎からイメージされるものは駅ではなく停留所といった方がふさわしそうです。

※ 画像は山の旅社ガイドの日記HPより

他の田口線駅跡は市街地化されここに、駅があったと確認することしかできません。三河田口駅の駅舎さえも誰も手を加えることなく放置され、最後は自然崩壊し現在駅舎の面影はありません。設楽ダム建設に伴い駅跡地もなくなります。

比べて三河大草駅跡は、山あいのひっそりとした場所です。次の電車が来ることはありませんが、時折訪れる田口鉄道ファンに見守られながらずっと今の場所に佇んでいることでしょう。

まとめ

田口鉄道の三河大草駅跡を訪ねるためのコースは、歴史を感じながら自然も満喫できる魅力的な散策ルートです。本長篠駅を起点に歩を進めると、かつての鉄道遺構や廃線ならではの風景に出会え、往時の賑わいに思いを馳せることができます。地元に伝わる小さな案内板を頼りに歩く道中には、季節ごとに違った顔を見せる里山の風景が広がります。

三河大草駅跡に至れば、今も残るホーム跡などが、鉄道の歴史を静かに語りかけてくれるはずです。廃線跡ならではの静けさと郷愁、自然の豊かさを味わいながら過ごす時間には、どこか懐かしい旅情が漂います。このルートを歩くことで、田口鉄道の足跡を体感できるだけでなく、地域の魅力にも新たに気付けるでしょう。歴史や鉄道に興味がある方へも、自然とふれあいながら歩く散策コースとしてもおすすめです。

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